【THE REAL】湘南ベルマーレがJ1残留を成就させた舞台裏…曹貴裁監督と選手たちを結ぶ熱い絆 4ページ目 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE REAL】湘南ベルマーレがJ1残留を成就させた舞台裏…曹貴裁監督と選手たちを結ぶ熱い絆

オピニオン コラム
湘南ベルマーレ
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  • 曹貴裁監督 湘南ベルマーレ公式サイトよりスクリーンショット
  • 曹貴裁監督 湘南ベルマーレ公式サイトよりスクリーンショット

■「お前たちの力のおかげだ」

指揮官の青写真は、予期せぬ副産物をも生み出す。

前半のアディショナルタイムに獲得した直接フリーキックのチャンス。約30mの距離から永木が放った一撃は無回転の鋭い軌跡を描き、ゴール直前で急降下する。

FC東京のGKブラダ・アブラモフが、長いリーチをさらに伸ばして必死に弾く。こぼれ球に真っ先に反応した高山が、右足のアウトサイドでゴール前へ折り返す。パスが転がる先にノーマークの古林がいた。

「感覚ですかね。ドキドキでしたけど、決められてよかった」

複雑な回転がかかっていたパスを、右足のインサイドで丁寧に押し込んで生まれた先制弾。勝てば自力でJ1残留を決められる大一番で成し遂げた大仕事に、古林は笑顔を輝かせる。

「ユースのときはあのポジション(シャドー)だったので、違和感なく試合に入れたんですけど……最初の5分くらいは少し動きにくかった。征也君(藤田)や薫君(高山)が声をあけてくれたし、斜めに動いて自分のいいところを出していったら、少しずつ慣れていったかな」

後半5分に追いつかれたが、その5分後に古林と同じユース出身のMF菊池大介が強烈なボレーシュートでネットを揺らした。右サイドから低く、速いクロスを放ってアシストしたのは藤田だった。

選手起用がズバリと的中。2010年シーズン、2013年シーズンに続く3度目の挑戦でJ1残留をもぎ取った曹監督は、試合後のロッカールームで静かな口調で選手たちに感謝している。

「残留を決めることができたのは、お前たちの力のおかげだ」

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《藤江直人》

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