スロースターター脱却が鍵か 岩井明愛、100位の項目改善で見える地元V 富士フィルム・スタジオアリス女子オープン | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

スロースターター脱却が鍵か 岩井明愛、100位の項目改善で見える地元V 富士フィルム・スタジオアリス女子オープン

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スロースターター脱却が鍵か 岩井明愛、100位の項目改善で見える地元V  富士フィルム・スタジオアリス女子オープン
  • スロースターター脱却が鍵か 岩井明愛、100位の項目改善で見える地元V  富士フィルム・スタジオアリス女子オープン

5日から埼玉県の石坂ゴルフ倶楽部で、富士フィルム・スタジオアリス女子オープンが開催される。注目は地元Vを狙う岩井明愛、千怜姉妹。

二人は埼玉県出身で地元の中学に通い、高校は埼玉栄。プロとなった今は、埼玉に工場を構えるHondaの所属。

誰よりも埼玉で開催される大会のタイトルが欲しいのではないだろうか。

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明愛は、開幕戦で優勝した千怜とは対照的に、まだ流れに乗り切れないが、昨季は同大会翌週の大会でツアー初優勝を飾った。今季もこれから流れに乗りたいところだ。

富士フィルム・スタジオアリスの昨年大会は50位タイだったが、2022年大会は14位タイ。そして、同コースで開催された2022年日本女子オープンの最終予選会はトップ通過し、2019年、高校2年時の県のジュニア大会では優勝している。

石坂ゴルフ倶楽部との相性は良い。ポイントは、初日にパットのフィーリングを合わせて、上を狙える順位で終えられるかどうかだ。

■第1ラウンドから徐々に上昇傾向

今季の明愛は第1ラウンドから徐々にスコアが良くなる傾向にある。スタートは低調で、そこから巻き返すスロースターター。

現時点でスコアが「1つ前(前日)のラウンドの方が良かった」ことは1回しかない。Vポイント×ENEOSで第1ラウンド70、第2ラウンド74だった。

それ以外は、第2ラウンドは第1ラウンドと比べて同じか良いスコア、第3ラウンドは第2ラウンドと比べて同じか良いスコア、第4ラウンドは第3ラウンドと比べて同じか良いスコアとなっている。

ラウンドごとの平均ストロークは第1ラウンドが73.2で73位、第2ラウンドが71.4で21位、第3ラウンドが70.5で21位、第4ラウンドが70.0で13位。

開幕2戦目の明治安田レディスでは第1ラウンドで80を叩き、巻き返しきれないほどの躓きをすることがあった。

いくら爆発力がある明愛とはいえ、それには限界がある。最終ラウンドの平均は69.3で10位。第1ラウンドから、それに近いスコアをつくることができると、優勝争いを増やすことができる。

岩井明愛ラウンド毎の平均ストローク(3月31日時点)

岩井明愛ラウンド毎の平均ストローク(3月31日時点)

■平均パット数100位

昨季パーオン率1位のショットのキレは健在。パーオン率は現時点で2位だ。トータルドライビングは15位で、ボールストライキングは7位。このあたりを見ても、3勝をあげた昨季と同程度のパフォーマンスを発揮していることがうかがえる。

しかし、パットが悪い。昨季は、2022年シーズンから大きく向上させたが、今季5試合終了時点では逆戻り、というよりも悪化している。

昨季、1.7560で4位だったパーオンホールの平均パット数が、今季は1.8531で68位。昨季、29.6771で41位だった1ラウンドあたりの平均パット数が、今季は31.5385で100位となっている。

当然、このパットのスタッツでは、平均バーディ数が少なく、パーセーブ率やリカバリー率も良くない。

昨季、4.2332で2位だった平均バーディ数が、今季は3.0000で33位。昨季、88.0917%で8位だったパーセーブ率が、今季は85.0427%で30位。昨季、63.0303%で41位だったリカバリー率が、今季は53.5714%で96位となっている。

岩井明愛パットが絡むスタッツ(3月31日時点)

岩井明愛パットが絡むスタッツ(3月31日時点)

■目標は複数回優勝

「今季、まずは複数回優勝」と語っている明愛。その目標を達成するためには、パットの向上が急務だ。現在のショットの安定感があれば、パット次第で、スロースターターから脱却し、高確率で上位に進出できる。

富士フィルム・スタジオアリスの翌週は、KKT杯バンテリンレディスに出場する予定。同大会は、昨季ツアー初優勝を飾った大会だ。

地元の大会、ディフェンディングチャンピオンとして臨む大会。明愛にとって思い入れが強い大会が続くが、ここで良いパットのフィーリングをつかみたい。

注目は富士フィルム・スタジオアリス初日の第1ラウンド。今季のこれまでの傾向とは異なり、上位を狙える位置につけられるか注目だ。

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著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家

各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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